発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350522
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79歳男。健康診断で発見された右上葉原発性肺癌に対して、開胸下右上葉全切除ならびに縦隔リンパ節郭清が行われた。術当日より間欠的空気圧迫法、弾性ストッキングを使用した。第8病日に経過良好で退院となった。第16病日、突然呼吸苦が出現した。胸部造影CT所見では、両側の肺動脈内に血栓が散在していた。99mTcMAA肺血流シンチグラム所見では、両側肺で血流欠損部が散在していた。肺血栓塞栓症の診断で入院し、低用量未分画ヘパリンの持続静注とワルファリン内服を開始し、回収可能型下大静脈(IVC)フィルターを留置した。徐々に呼吸状態は改善し、第20病日の心臓超音波検査で平均肺動脈圧15.1mmHgと改善を認めた。第28病日の胸部造影CTで血栓は消失し、第30病日にIVCフィルターを抜去した。切除術後第35病日ワルファリン内服で退院となった。現在PTE、肺癌の再発などなく経過している。
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