発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350504
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48歳男。左肺結核後の肺尖部空洞内に発症した左肺アスペルギローマのため喀血を繰り返し、気管支動脈塞栓術(BAE)を複数回行われていた。大量喀血でBAEを行ったが、その後も血痰、喀血が続いたため、止血および感染制御の目的で空洞切開・開窓術が行われた。術後連日交換していたガーゼを介してMRSAが空洞壁に感染し、空洞壁から出血を認め、転院した。感染の制御および空洞の閉鎖を目的に遊離大網弁移植による充填術を行った。ドレーン排液が少量となった第5病日にドレーンを抜去した。第5病日より流動食を開始したが、第12病日より嘔気・嘔吐が出現した。開腹操作・大網切除によるイレウスと考え、絶食とし経鼻胃管を挿入した。その後イレウスは改善し、第16病日より経口摂取を再開し順調に摂取量を増加でき、第64病日に退院となった。退院の約4ヵ月後に血痰を認めBAEを行ったが、以降、術後6年以上無症状で経過している。
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