発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017338836
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症例1は61歳男で、主訴は39℃の発熱と右側腹部痛であった。胸腹部CTでは肝右葉に最大径7cm大のリング状増強効果を認め、4日後には右胸腔内に大量の被包化胸水を認めた。症例2は72歳男で、主訴は39℃の発熱と右側胸部痛であった。胸腹部CTでは右胸腔内に被包化胸水と肝後区域に低吸収域を認めた。両症例とも肝膿瘍の胸腔内穿破による右急性膿胸と診断し、胸腔鏡補助下醸膿胸膜切除術、洗浄ドレナージを施行し、肝内部へ交通する横隔膜上の瘻孔は開放のままとした。胸水培養では症例1はStreptococcus intermedius、症例2ではStreptococcus anginosus、Bacteroides fragilisが検出された。両症例とも抗菌薬により炎症反応・全身状態は順調に改善し、約1週間で胸腔ドレーンを抜去し、第32病日に軽快退院あるいは消化器内科へ転科した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017