発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350519
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37歳男。胸痛を主訴に他院を受診した。狭心症の診断で右冠状動脈病変に対して経皮的冠状動脈形成術(PCI)が行われた。下血を呈し、精査により回盲部潰瘍の診断で保存的加療によって軽快した。38℃台の発熱、胸痛・呼吸苦も呈した。胸部造影CTにより巨大な右冠状動脈瘤を認め、冠状動脈造影によりPCI施行部位の仮性動脈瘤と診断した。造影CT所見では、右冠状動脈にステントが留置され、その周囲に径4cm大の不整形の瘤を認めた。冠状動脈バイパス術(CABG)+仮性瘤閉鎖を行った。独歩により退院した。繰り返す回盲部潰瘍、口腔内アフタ、毛嚢炎、関節痛を認めた。回盲部生検を行い、不全型Behcet病と診断された。寛解・増悪を繰り返す胸痛を認め、バイパス中枢吻合部の破綻によると考えられる上行大動脈仮性瘤を認めた。上行大動脈形成+大網充填術を行った。術後約3年経過した現在も、血管合併症なく元気に外来通院中である。
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