発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014204291
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53歳女。38歳時に大動脈弁無冠尖弁瘤破壊に対し大動脈弁置換術、45歳時に左冠状動脈主幹部病変に対し経皮的冠状動脈形成術、更に46歳時に僧帽弁閉鎖不全III度にて僧帽弁置換術を行い、術後に洞機能不全で永久ペースメーカー植込み施行となっていた。今回、労作時息切れ、肉眼的血尿が出現し、検査所見および心エコー所見で溶血性貧血を来たす僧帽弁逆流、および進行する大動脈弁狭窄を認め、体外循環下に再二弁置換術を施行した。術中、人工弁を除去すると、直下に径7mmの開口を認める円盤状の組織を認め、大動脈弁狭窄の原因はdiscrete型左室流出路狭窄と考えられた。同部を流出路心筋とともに切除し、流出路を拡大した。続いて僧帽弁を観察したが、問題は見当たらなかった。原因が明らかでないため僧帽弁も切除し、大動脈弁・僧帽弁二弁置換術を行った。術後経過は良好で、貧血も改善して術後30日に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014