発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350518
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71歳男。透析導入、2型糖尿病であった。呼吸苦で受診し、急性心不全の診断で入院加療となった。その後、呼吸不全増悪、呼吸器管理となり気管切開術が行われた。心臓超音波検査で大動脈弁に疣贅および重度の大動脈弁閉鎖不全症を認め、血液培養でS.epidermidisを同定した。感染性心内膜炎および重症の大動脈弁閉鎖不全症と診断され、搬送となった。大動脈弁閉鎖不全症は高度で、大動脈弁に13mmの疣贅を認めた。多剤耐性Corynebacterium spp.を認めた。感染症、心不全コントロール困難のため、入院後第4病日で手術となった。大動脈を切開し疣贅の付着した大動脈弁尖を確認した。三尖すべてに疣贅の付着および穿孔を認めた。通常どおり大動脈弁置換術を行った。第30病日にバンコマイシン投与を終了したが、その後も感染徴候を認めなかった。第48病日、軽快退院した。血液検査結果の正常化には術後約2ヵ月を要した。
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