心・肺移植後の合併症
心移植 心移植16年経過後に狭心症を認め冠状動脈ステントを留置した1例
山田 綾子
1
,
石井 康宏
,
柿澤 祥子
,
石下 晃子
,
上野 秀樹
,
大道 近也
,
田中 健
,
長嶋 浩貴
,
上松瀬 勝男
,
遠藤 真弘
1大崎病院東京ハートセンター
キーワード:
Azathioprine
,
Creatinine
,
Ciclosporin
,
Prednisolone
,
狭心症
,
バルーン冠動脈形成術
,
術後合併症
,
心筋症-拡張型
,
心臓移植
,
腎臓疾患
,
ステント
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
インターベンショナル超音波診断
Keyword:
Administration, Oral
,
Azathioprine
,
Angina Pectoris
,
Cardiomyopathy, Dilated
,
Creatinine
,
Drug Therapy, Combination
,
Kidney Diseases
,
Postoperative Complications
,
Prednisolone
,
Stents
,
Heart Transplantation
,
Angioplasty, Balloon, Coronary
,
Cyclosporine
,
Ultrasonography, Interventional
pp.969-973
発行日 2007年10月1日
Published Date 2007/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007346097
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56歳男性。拡張型心筋症のため心移植を行い、16年経過後に労作時胸痛が出現した。カテーテルによる冠状動脈造影を施行すると、左前下行枝#7に75%の狭窄病変を認めた。血管内超音波(IVUS)では病変部にエコー輝度が不均一な偏心性のプラークを認め、一部lipid poolを示唆するlow echoic zoneを認めた。同部位に薬剤溶出性ステント(Cypher 3.5×23mm)を留置し、バルーン(Potenza 4×8mm)にて後拡張し、0%に開大した。術後のIVUS所見でステントは正円に良好に開大していた。著明な動脈硬化は左前下行枝の中間部のみに認められ、さらにIVUSにおいてlipid poolといった脂質異常に基づくと思われる動脈硬化所見を認めたことから、心移植後特有の過程に加えて、冠状動脈疾患リスクファクターによる動脈硬化の進行があったと思われた。合併症はなく、術後8ヵ月の冠状動脈造影でステント部の再狭窄は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2007