発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009178881
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59歳男。主訴は胸部不快感であった。2年前に右冠状動脈(RCA)を起源とする急性心筋梗塞(AMI)に対して血栓吸引、経皮冠状動脈バルーン形成術(POBA)を施行し、1年後の冠状動脈造影像でRCAに動脈瘤を認め経過観察中であったが、AMIが再発したため再POBAを施行し、RCA瘤に対する手術目的に入院した。心臓超音波検査にて駆出率42%と心機能低下を認めた。心停止下に右胃大網動脈をRCA房室結節動脈枝にバイパスし、瘤閉鎖、縫縮術を施行した。摘出した動脈瘤壁の病理所見では硝子化した瘤壁のところどころに中膜を認め、カテーテルによる血管壁の損傷が疑われた。術後21日目の心臓カテーテル検査でバイパスグラフトは開存し、術後30日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009