発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008042653
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68歳男。主訴は呼吸困難であった。狭心症に対して経皮的冠状動脈形成術が施行されたが2週間後に高熱と全身倦怠感が出現した。血液培養により黄色ブドウ球菌が検出され、心エコーでは心尖部にまで達する重度の大動脈弁閉鎖不全症と右冠尖末梢側の大動脈基部膿瘍を認めた。1週間以上にわたる抗生剤治療に抵抗性であり、感染巣の進展も疑われたため準緊急手術により大動脈基部掻爬、Prima Plus生体弁を用いてfull root法による基部置換および冠状動脈バイパス術を施行した。病理組織学的に大動脈壁および弁尖に好中球を主体とする炎症細胞浸潤を認めたが、病原菌は特定できなかった。術後経過は良好で8週間の抗生物質投与の後軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007