発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350516
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75歳男。腎硬化症で人工透析を導入された。大動脈弁狭窄症(AS)のため大動脈弁置換術(AVR)を行った。術後2ヵ月目以降、呼吸苦と肺うっ血のため入退院を繰り返し、そのたびにドライウェイトの減量と内服薬の調整を行い、心不全症状は軽快した。ふたたび呼吸困難が出現し、うっ血性心不全の診断で入院した。二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)による異所性石灰化で人工弁機能不全(SVD)に陥ったと診断し、再AVRを行った。摘出した人工弁の弁尖3に直径3mm大の結節形成を認め、X線像では弁尖2および3の弁腹に中等度~高度の石灰化を認めた。弁の左室側に中等度~高度大動脈側に軽度のパンヌスの増殖を認め、弁尖2と3の交連部が約2mm結合していた。術直後より持続的血液濾過透析(CHD)を開始し、術後3日目にCHDから隔日透析へ移行した。術後26日目に自宅へ退院し、現在までの1年間に心不全症状の再発はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013