胸部外科の指針
慢性血液透析患者の大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術の早期・中期成績
岡本 祐樹
1
,
山本 和男
,
杉本 努
,
若林 貴志
,
加藤 香
,
三村 慎也
,
吉井 新平
,
岡田 行功
,
齋藤 聡
,
山崎 健二
1立川メディカルセンター立川綜合病院 循環器・脳血管センター心臓血管外科
キーワード:
危険因子
,
血液透析
,
術後合併症
,
心エコー図
,
術前診断
,
腎不全-慢性
,
心房細動
,
バイオプロテーゼ
,
大動脈弁狭窄症
,
後向き研究
,
治療成績
,
心臓人工弁
,
周術期管理
,
人工弁置換術
,
Kaplan-Meier法
Keyword:
Aortic Valve Stenosis
,
Atrial Fibrillation
,
Bioprosthesis
,
Echocardiography
,
Heart Valve Prosthesis
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Risk Factors
,
Postoperative Complications
,
Retrospective Studies
,
Treatment Outcome
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
Perioperative Care
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.861-869
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013305775
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大動脈弁狭窄症に対し大動脈弁置換術を施行した慢性血液透析患者40例(男31例、女9例、平均65.8歳)の成績を報告した。緊急手術は1例で、術中死亡はなく、代用弁は機械弁33例、生体弁7例で、有効弁口面積指数0.85cm2/m2以下はなかった。術後早期合併症は一過性の心房細動16例、出血再開胸、脳梗塞、腸管虚血、敗血症各1例であった。早期死亡は2例で、それぞれ腸管虚血、敗血症のため術後5日目、141日目に死亡した。平均在院期間は36日で、退院時心エコーでは術前と比較して左室駆出率、心筋重量に有意な変化はなく、圧較差は有意に減少した。術後1.9~91ヵ月経過し、心臓・弁関連の合併症は人工弁感染2例、心筋梗塞、弁周囲逆流、完全房室ブロック各1例で、血栓閉塞症、出血、生体弁の劣化は認めなかった。遠隔期死亡は8例、心臓関連死が4例で、死亡・心事故に関しての多変量解析では、糖尿病の合併のみが有意な危険因子であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013