発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013316887
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日齢14の男児。37週6日に2720gで出生した。口唇口蓋裂、多指症、頭皮欠損ほか、馬蹄腎、外性器異常などの多発奇形を有しており、FISH法にて13トリソミーと診断された。CT所見では大動脈弓は低形成であり、太い動脈管、右鎖骨下動脈異常起始が認められ、大動脈弓低形成および多発型心室中隔欠損と診断された。以後、自宅療養を実現させるための肺血流制御を目的に手術侵襲の少ない両側肺動脈絞扼を行うこととなった。方法は全身麻酔下に胸骨正中切開によりアプローチし、主肺動脈周囲で心膜を部分切開、ePTFEパッチで作成した2mm幅のテープで左右肺動脈の絞扼を行った。その結果、術後に一時的な心機能の低下と呼吸不全のため人工呼吸管理が長期化したが、第7病日目に抜管となり、第15病日目には一切の点滴類を抜し、29病日目には在宅管理の訓練を目的に自宅近隣の病院へ転院後、第49病日目に退院となり、自宅療養が実現した。尚、出生より半年経過した時点まで、細気管支炎による二度の入退院を繰り返したが、現在は経管栄養下に自宅療養している。
©Nankodo Co., Ltd., 2013