発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175466
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45歳男。動悸を主訴とした。心電図では心拍数65回/分、正常洞調律で、孤立性心室性期外収縮が認められた。心エコーで右室流出路に19×19mm大の球状、表面平滑で可動性のある腫瘍が認められた。心機能は良好で、弁機能に異常は認めなかった。CTで他臓器に腫瘍病変を認めず、塞栓所見もなかった。閉塞症や右室流出路閉塞の予防を目的に開胸術を施行し、完全体外循環を確立した後、肺動脈縦切開でアプローチした。腫瘍は肺動脈弁尖の右室側に付着しており、腫瘍と共に付着部の肺動脈弁尖の一部を円形に切除した。弁中央の10mm大の欠損孔は自己心膜でパッチ閉鎖した。術後経過良好で第13日に退院した。病理所見で、乳頭状を呈した部位に数層の弾性線維を認め、1層の内皮細胞が配列しており、乳頭状線維弾性腫と診断された。腫瘍の発生部位は肺動脈弁組織からであった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012