発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015395174
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53歳女。4年前からの労作時息切れを主訴とした。X線では心胸郭比52%で、心エコーでは大動脈閉鎖不全症(二尖弁)と中等度大動脈弁逆流を認めた。CTでは右鎖骨下動脈が大動脈縮窄部直後より起始しており、食道と気管の後方を走行していた。大動脈閉鎖不全症(二尖弁)および右鎖骨下動脈起始異常を伴う大動脈縮窄症と診断し、開胸下に一期的に大動脈弁置換術および上行-下行大動脈バイパス術を施行した。グラフトは、右房前方を回り、心臓下面と横隔膜の間を通って心臓後方の下行大動脈へと配置した。術後両下肢および右鎖骨下動脈への良好な血流が得られ、低下していた足関節上腕血圧比は改善し、左右差を認めた上肢血圧も改善した。第13病日に合併症なく退院となった。
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