臨床経験
肺動脈絞扼術により肺病変が劇的に改善された21トリソミー,心室中隔欠損症
佐藤 健
1
,
三澤 吉雄
,
河田 政明
,
前川 慶之
1自治医科大学 心臓血管外科
キーワード:
Down症候群
,
心エコー図
,
心室中隔欠損
,
肺高血圧症
,
細胞遺伝学的分析
,
胸部CT
,
肺動脈絞扼術
Keyword:
Echocardiography
,
Down Syndrome
,
Heart Septal Defects, Ventricular
,
Hypertension, Pulmonary
,
Cytogenetic Analysis
pp.365-369
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016298073
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症例は妊娠週数28週1日目に1012gで出生した女児で、生下時より呼吸不全が持続し、精査にて心室中隔欠損症(VSD)に肺高血圧症を伴った21トリソミーと診断された。治療は二期的根治術の方針となり、まず日齢97日目に肺動脈絞扼術(PAB)を施行したところ、肺病変は著明に改善した。次いで月齢27ヵ月時(体重6095g)に、VSDのパッチ閉鎖とPABの解除、更に同部の形成術を行った。その結果、術後の経過は良好で、術後2ヵ月目の心エコーでは遺残左右短絡は認めず、良好な経過が得られた。以上、本症例では臨床症状や胸部X線像上の著明な改善と肺病変の組織学的変化の可逆性が確認された。
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