発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013004081
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症例は79歳男性で、検診で左下肺野に網状陰影を指摘され、び漫性間質性肺炎疑いでステロイド内服治療を行ったが、その後陰影は拡大した。気管支鏡擦過細胞診はclass IVで、PET-CTでは左下肺野に集積を認め、原発性肺癌と診断された。手術を施行し、葉気管支間リンパ節も腫大しており、迅速病理診断は腺癌で左肺全摘が妥当と考えられたが、年齢、全身状態を考慮して左下葉切除+リンパ節郭清とした。摘出標本で、CT所見ではハニカム様の線維化病巣に見えた部分全体に癌病巣が進展していた。病理組織は高分化腺癌で、免疫染色ではCA19-9、CEA共に陽性であった。術後1ヵ月目にCA19-9、CEAは正常範囲内まで低下し、化学療法としてcarboplatin+paclitaxelを4コース施行した。しかし腫瘍マーカーは再上昇し、胸部CTで対側肺門部リンパ節の増大が認められた。進行と判断してcarboplatin+pemetexedに変更したが効果はなく、術後15ヵ月目に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012