発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008148994
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74歳女。心窩部痛を主訴とした。検査所見にてcarbohydrate antigen 19-9(CA19-9)1027.4U/mlと異常高値で、上部消化管造影所見で胃幽門前庭部後壁に40mm大、1型の隆起性病変を認めた。上部消化管内視鏡所見では胃幽門前庭部後壁を中心に白苔を伴う隆起性病変を認め、同部位の生検の結果、中分化型管状腺癌の診断であった。腹部CT所見では胃前庭部後壁に突出した腫瘤を認め、内部は不均一に造影された。1型胃癌の診断で、幽門側胃切除、D2リンパ節郭清術を施行した。病理最終診断は40×35mm、type1、pT3(SE)、pN2、sH0、sP0、sCY0、sM0、fStage IIIB、ly3、v2で、抗CA19-9モノクローナル抗体染色では癌細胞の細胞質、間質および粘膜まで広範囲かつ高度に染色された。術後血清CA19-9値の減少を認めたが、術後1年目で再上昇し、術後1年2ヵ月目に肝転移を認めた。術後4年の経過で、TS-1をベースとした化学療法を施行し現在も外来にて通院加療中である。
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