発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011288489
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76歳男性。咽頭癌に対する放射線療法で完全寛解が得られたが、定期検査のCTで左肺尖部に炎症様の異常陰影ならびに腫瘤陰影が認められた。その後、呼吸器内科で気管支鏡下の擦過細胞診にて腺癌(class IV)と診断され、心臓血管外科へ入院となった。所見では軽度の閉塞性障害および左肺尖部の透過性低下と、その周辺にスリガラス状陰影が認められた。以上、これらのことから本症例は原発性肺癌(cT2N0M0、臨牀病期IB期)と診断され、手術がおこなわれたが、胸水や胸膜播種はなく、腫瘍は左上葉に胸膜嵌入を伴う病変として確認された。そこで、左上葉切除術ならびに縦隔リンパ節郭清を行ったところ、術後、経過良好で、免疫組織染色にて強陽性を示したCA19-9も正常化した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011