発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012318854
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症例は78歳女性で、30歳時子宮癌、寒冷凝集素症の既往があった。寒冷凝集症で通院中、定期検査のCTで左下葉に複数個の微小結節影を認め、呼吸器内科で経過観察中病変の増大傾向を認めて当科へ紹介となった。腫瘍マーカーはNSEが軽度上昇のみであった。CTで左S6、S8、S10に結節を認め、いずれも悪性の可能性が否定できず、本人も希望したため手術を行った。術中S10の結節の迅速病理で扁平上皮癌と診断され、左下葉切除と縦隔リンパ節郭清を行った。病理所見ではS6に23×10×10mmの混合型腺癌、S8に径6mmの混合型腺癌、S10に19×18×15mmの扁平上皮癌を認め、同時性同一肺内三重多発肺癌であった。いずれも原発性肺癌で、病期はいずれもIA期であった。術後経過は良好であり、術後3年経過で再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012