発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012318841
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症例は76歳男性で、胸痛・呼吸困難で近医にてX線上左気胸と診断され当院を受診した。左胸腔ドレナージを行い入院となった。X線で左上肺野に40mm大の腫瘤陰影が認められた。CTでは両側肺尖部に気腫性嚢胞を認め、これに近接して左S3に胸膜嵌入を伴う辺縁不整な42×36mm大の腫瘤陰影、左S10に16×12mm大の結節性陰影が認められた。経気管支肺生検で左上葉腫瘤は腺癌と診断され、気漏消失後にドレーンを抜去し、通院で精査を行った。腹部CTで左副腎腫大を認め、頭部MRIでは転移巣を認めなかった。退院10日目に左気胸再発で緊急入院し、左胸腔ドレナージで気漏は消失したが、ドレーン抜去後に再々発を認め、左上葉切除術、左下葉部分切除術、縦隔リンパ節郭清術を行った。病理所見から左上葉の腫瘤は乳頭状腺癌、下葉結節も同様で肺内転移と診断し、リンパ節転移は認めなかった。退院後のFDG-PET/CTで左副腎に高集積を認め、左副腎転移の診断で全身化学療法中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012