発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071375
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70歳代男。患者は上腹部痛を主訴とした。7年半前、右肺癌で右肺上葉切除術を受け、病理病期IIB期の大細胞癌と診断された。その後、再発は認められていなかったが、画像所見により原発性胆嚢癌が疑われ、肺や脳に遠隔転移を認めなかったため胆嚢腫瘍摘出術が施行された。しかし、この手術から1年4ヵ月経過で発熱と全身倦怠感が出現、精査を行なったところ、転移性腫瘍の可能性を含む副腎腫瘍と診断された。そこで、CTやPETで他に転移を認めなかったことから切除術を施行した結果、病理組織学的所見では細胞の構造は肺癌と類似しており、副腎腫瘍は肺大細胞癌の転移であった。目下、この副腎腫瘍摘出から6ヵ月が経過しているが再発は認められていない。尚、肺癌の胆嚢転移は肺癌剖検では報告されているが、肺癌の孤立性胆嚢転移の切除については、本症例が我が国では2例目であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009