発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012318842
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症例は3歳男児で、3ヵ月齢にNorwood-Glenn手術を受け、新大動脈後方の左肺動脈が閉塞し、左鎖骨下動脈と左肺動脈下葉枝間にmodified Blalock-Taussigシャントを作成したが、左肺動脈上葉枝がシャント術後に閉塞し、Fontan手術で心外導管と左右の肺動脈間を再建した。術後1ヵ月の造影CTで人工血管の完全閉塞と肺動脈側吻合部に変形が認められた。カテーテル検査の肺静脈楔入造影で左肺動脈下葉枝の人工血管吻合部まで開存が判明し、人工心肺装置で血栓を除去後に変形人工血管を内側からステントで矯正する方針とし、人工血管内腔の観察に胆道鏡を準備した。術中所見では人工血管は入口部から完全閉塞しており、血栓を除去して胆道鏡を挿入し、人工血管を閉塞した白色の血栓を認め、人工血管壁との間隙にゾンデを穿通させ、血栓除去用バルーンカテーテルで血栓を除去した。遠位吻合部で変形を認めるも縫合は確実でステントを留置した。術後経過は良好で7日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012