発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264920
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1は68歳女性で、労作時呼吸困難で心房中隔欠損症(ASD)と診断され、術前胸部CTで左上葉S3に径1.5cmの腫瘤影が認められた。開胸術によりASDパッチ閉鎖、三尖弁輪形成術、maze手術を行い、同じ創から左肺上葉部分切除術を行った。病理組織診断は腺癌(T1aN0M0)で、術後1年経過し再発徴候はない。症例2は53歳女性で、検診で右中肺野の結節影を指摘され、全身精査で胆嚢腫瘤、右房内腫瘤が発見された。まず開腹胆嚢摘出術を施行し、組織は乳頭状腺癌で、4週間後に右房腫瘤切除および肺部分切除を施行した。右房腫瘤は血管嚢腫、肺結節は肺内リンパ節で、術後6年経過し再発徴候はない。症例3は63歳男性で、直腸癌の術前転移検索で左房内の腫瘤を指摘され、直腸癌手術後に紹介入院した。心エコーで心房中隔に付着する径3.3cmの腫瘤を認め、経中隔アプローチで腫瘍と付着部位周辺の心房中隔を一塊に切除した。病理組織診は粘液腫で、術後5ヵ月経過し化学療法中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012