発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012314027
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89歳男。胸部異常陰影を主訴とした。3D-CTで左鎖骨下動脈分岐直下に最大径6.6cmの紡錘状遠位弓部大動脈瘤を認め、末梢側は気管分岐部のレベルまで拡張していた。血管造影下CTでadamkiewicz動脈が左第11肋間動脈より分岐していた。超高齢者であり高度の認知症を合併していたが、全身状態は良好で、認知症は記銘力障害が中心で日常生活は自立していたこと、家族が手術加療に前向きであったことなどから手術加療を行うこととした。手術は新しいシースレスオープンステントグラフトを併用した弓部大動脈人工血管置換術を行った。術後経過は良好で、術後CTで明らかなエンドリークを認めず、ステントグラフトは術前予定していたTh9レベルの位置まで留置されていた。術後15日に軽快退院となった。
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