発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008148978
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68歳男。血痰を主訴とした。2年前の胸部X線では異常所見はなかったが、今回左第1弓の突出がみられ、胸部3D-CTを施行したところ遠位弓部大動脈瘤を認めた。血痰の既往および大動脈瘤の形態から大動脈瘤の肺穿破が疑われ、胸骨正中切開アプローチで弓部大動脈人工血管置換術を施行した。遠位側吻合は、大動脈閉塞用バルーンカテーテル(Equalizer)を用い、大腿動脈送血により下半身灌流を行いつつ施行した。下半身灌流時間は60分、尿量は80mlであった。術後7時間で覚醒、12時間で呼吸器より離脱し、利尿薬を使用することなく術後24時間の尿量は2870mlであった。その後も良好な経過を得ている。
©Nankodo Co., Ltd., 2008