発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166470
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
9歳女.Taussig-Bing奇形のため生後2ヵ月時にJatene手術原法の既往があり,術後の心室中隔欠損(VSD)パッチ周囲の遺残短絡,筋性部多発性VSD(mVSD),肺動脈狭窄(PS),三尖弁閉鎖不全症(TR)に対する手術目的で入院した.心エコーおよび心カテーテル検査で両心室間での複数のジェットを認め,スイスチーズ型mVSDと予想された.サンドイッチ法によるVSD閉鎖を施行,広範囲にわたるmVSDに対し,洞部中隔のほぼ全体を覆う1対のパッチを使用した.PSに対してはパッチ拡大と心外導管を併用して解除し,TRに対してはKay-Reed法とDe Vega法を施行した.術直後より心エコーにて心室中隔の奇異性運動を認めたが,左室の壁運動は駆出率60%で,血行動態は安定していた.腎不全をきたし人工透析を長期間使用したが回復し離脱,その他重篤な合併症なく術後第47病日に独歩退院した.術後1年の心カテーテル検査で心尖部に多少の遺残短絡を認めたが,Qp/Qs1.0であり,心室機能も保たれていた
©Nankodo Co., Ltd., 2005