発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051520
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7ヵ月女児.生後6ヵ月に施行の心カテーテル検査および心血管造影検査にて心内奇形を認め,右肺動脈は主幹部分岐部が欠損し,右内胸動脈より右肺への側副血行路を認め,逆行性右肺静脈造影にて末梢右肺動脈が確認された.治療方針としては現在は無症状であるが,患児の成長と運動耐容能向上を目的に外科的根治術を目標とした.手術では右肺動脈が低形成で主肺動脈との距離も長かったため,確実に右肺順行性血流を増加させるため一期的シャント手術を選択した.術中所見では末梢右肺動脈は直径4.5mmあり形成可能と判断して,まず右鎖骨下動脈と5mm延伸ポリテトラフルオロエチレン・チューブを吻合,次にDacronメッシュを巻いた直系10mm・長さ30mmの自己心膜ロールを作成して末梢右肺動脈と吻合し,最後に自己心膜ロールと人工血管を吻合した.術直後は一時利尿薬を使用したが次第に軽快し,これは右肺の順行性肺血流が加わり肺血流が増加したためと考えられ,現在根治術に向けて経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005