手術の工夫
孤発性右肺動脈欠損症
柳清 洋佑
1
,
渡辺 学
,
石川 成津矢
,
和田 励
,
長谷山 圭司
,
高室 基樹
,
横澤 正人
1北海道立子ども総合医療・療育センター
キーワード:
Aspirin
,
Warfarin
,
自家移植
,
血圧
,
血管造影
,
血栓塞栓症
,
術後合併症
,
心エコー図
,
心臓カテーテル法
,
心膜
,
肺動脈
,
血栓除去術
,
胸部CT
,
肺動脈欠損
Keyword:
Angiography
,
Aspirin
,
Blood Pressure
,
Echocardiography
,
Cardiac Catheterization
,
Pericardium
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Artery
,
Thromboembolism
,
Warfarin
,
Transplantation, Autologous
,
Thrombectomy
pp.898-901
発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013305784
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症例は1歳5ヵ月女性で、出生後から多呼吸があり、心エコーおよび造影CTで右肺動脈近位部の欠損と、腕頭動脈から右肺動脈末梢へ流入する側副血行路(APCA)を認め、孤発性右肺動脈欠損症と診断され、経過観察を経て右肺動脈再建術となった。主肺動脈をsino-tubular junction直上で横切開してU字状にフラップを作成した後、APCAを近位部で二重結紮して離断し、断端より右肺動脈に中間幹肺門部まで切開を加えた。主肺動脈フラップを右肺動脈末梢と吻合して後壁を作成し、採取した自己心膜で前面を補填した。術後9日目の造影CTで再建部の血栓閉塞を認め、溶解療法は効果不十分で開胸血栓除去術を施行した。自己心膜補填部を切開して血栓を除去し、右肺動脈末梢へHegar頸管拡張器を挿入し血管を拡張させた。術後造影で右肺動脈の開存を確認し、その後末梢の一部に軽度狭窄がみられたためバルーン拡張術を追加した。術前の肺高血圧は改善し、外来経過観察中である。
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