発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264918
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症例は60歳女性で、腹部超音波検診で左胸壁腫瘍を指摘され、生検で肉腫と診断した。胸腹部造影CTでは左前胸壁、第7~9肋骨の肋軟骨部に接する腫瘤を認め、MRIではT1強調画像で軽度高信号、T2強調画像で不均一な高信号を呈し、造影効果が認められた。手術を施行し、第6肋間で開胸して腫瘍が胸骨に露出していないことを確認した後、上腹部を傍腹直筋切開で開腹し、腹腔側からも腫瘍露出は認めなかった。腫瘍から2cmの切離縁を確保して胸壁および腹壁を切離した。更に横隔膜を腫瘍より1横指以上離して切離し、第7~9肋軟骨および肋骨弓部を含む胸壁、腹壁、横隔膜と共に腫瘍を切離した。欠損した横隔膜は、断端を胸壁断端へ直接縫着して再建した。胸壁の再建は、GORE DUALMESHを2枚使用して2層で行った。病理組織所見で悪性線維性組織球腫と診断し、横隔膜・筋層への浸潤を認めたため切除断端に放射線照射を行った。術後10ヵ月経過し、無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012