発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264914
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生後9ヵ月男。肺動脈欠損兼心室中隔欠損症(PA/VSD)、主要体肺動脈側副血行路(MAPCA)と診断された。心臓カテーテル検査でMAPCAを3本認め、第一のMAPCAは左鎖骨下動脈より起始して右上中葉5区域と左上葉4区域を灌流し、第二・第三のMAPCAは下行大動脈より起始し、それぞれ右上葉1区域、右下葉1区域・左下葉3区域を灌流していた。一期的肺動脈MAPCA統合術(UF)の方針で開胸術を施行し、上行大動脈に隣接して直径4mm大の主肺動脈~左右肺動脈(痕跡的中心肺動脈)が認められた。直接血管造影を施行したところ、両側下肺野が広範囲に造影され、下葉への主肺動脈とMAPCAとの間に十分な双方灌流があると判断し、第二・第三のMAPCAは結紮した。両側上葉は造影されず、第一のMAPCAと痕跡的中心肺動脈のUFを施行し、自己組織で中心肺動脈を形成して左鎖骨下動脈と人工血管で吻合した。術後左右肺血流はバランスよく成長し、7ヵ月後VSD閉鎖+Rastelli手術を施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012