発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012171419
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75歳男性。12年前にStanford B型急性解離を発症し、保存的治療にて経過観察となっていた。今回、腹痛、右下肢痛、右下肢脱力が出現し、緊急入院となった。胸部X線では縦隔の拡大が認められ、更に胸部造影CTと胸腹部3D-CTの結果、慢性解離による胸腹部大動脈瘤の切迫破裂、右下肢虚血と診断された。以後、準緊急手術を予定していたが、入院2日目に右下肢虚血が進行したため、緊急手術が行われた。手術所見では広範な末梢動脈の虚血による腸管壊死であり、試験開腹とし閉腹後、腸管虚血に対しプロスタグランジン製剤投与などの保存的治療が行われた。だが、腸管虚血は進行し、患者は最終的に術翌日に死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012