発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013350505
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49歳男。健康診断で縦隔陰影の拡大を指摘された。胸部造影CTでKommerell憩室および鎖骨下動脈起始異常を伴う66mmの解離性下行大動脈瘤を認めた。胸部大動脈ステントグラフト(TEVAR)を施行するも弓部大動脈遠位部の屈曲が強く、ステントグラフト(SG)によるエントリーの閉鎖が困難であり、リエントリーのみの閉鎖となった。退院3ヵ月後に瘤の拡大を認め、エントリー閉鎖のため弓部置換目的に入院となった。人工心肺下に25℃で循環停止し、ただちに選択的脳灌流を開始した。弓部人工血管の中枢側よりSGを挿入し、弓部人工血管と既存のSGとの間に新しいSGを留置した。閉胸後、右鎖骨下動脈はコイル塞栓術で閉鎖した。急激な腎機能増悪および下肢血圧拍動消失を認めた。CTでSGの屈曲が原因と判断し、緊急TEVARの方針となった。術後経過も良好で、第9病日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2013