発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005190850
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79歳男.約2年前に腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤に対するY型グラフト置換術を受けていた.同時に胸腹部大動脈瘤の診断も受けていた.胸腹部大動脈瘤の経過観察中,背部痛を自覚し,早期血栓閉塞型急性A型大動脈解離の診断で保存的治療を行っていたが,2週間後,腹痛を訴えた後に意識を喪失した.上行大動脈の再解離と解離による腹腔動脈・上腸間膜動脈閉塞と診断し,腹腔動脈,上腸間膜動脈バイパス術,腸管切除,大動脈弁置換術(AVR),上行大動脈置換術を行った.術後,脳合併症はなかった.腸管血管再開を行った後に上行大動脈置換術およびAVRを行うことで,腸管壊死範囲の拡大を防ぎ,腸管切除範囲を最小限に抑えることができたと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2005