発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013963
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48歳男。22歳時に右出血性脳梗塞で開頭術を受け、術後左不全麻痺となり近医で内服加療中であった。今回、胸痛を生じ急性心筋梗塞の診断で当院転院となり、発症後12日目に冠状動脈造影を行ったところ、左冠状動脈造影Seg.5 90%、前下行枝Seg.6 100%、回旋枝Seg.11 75%を認め、左前下行枝(LAD)は順行性にも右冠状動脈からもほとんど造影されなかった。なお、頭部CTでは広範な右脳梗塞を認めた。希望により手術の方針とし、人工心肺を必要とする左室瘤切除までの適応はないと判断して冠状動脈バイパス術(CABG)のみを行うこととした。胸骨正中切開し、左内胸動脈(LITA)、右橈骨動脈を採取し心拍動下CABG 2枝(LITA-LAD、大動脈-橈骨動脈-鈍角枝)を行った。術後経過に問題はなく、冠状動脈造影でグラフトの開存を確認し、第20病日に退院となった。
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