発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175465
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76歳男。4年6ヵ月前に不安定狭心症、大動脈閉鎖不全症で左内胸動脈(LITA)-前下行枝(LAD)の冠動脈バイパス術(CABG)、大伏在静脈(SVG)-右後下行枝(#4PD)、SVG-側壁枝(#14)、大動脈弁置換術を施行した。胸痛再発と呼吸困難が出現し、冠状動脈造影で左冠状動脈主幹部と右冠状動脈の閉塞、LITA-LAD吻合部#7中枢側90%狭窄、SVG-#14閉塞、回旋枝(LCx)近位部#11の75%狭窄、SVG-#4PD吻合部90%狭窄が認められた。SVG-#4PD吻合部に経皮的冠状動脈形成術を行ったが症状は残存し、心筋シンチグラム所見よりLITA吻合部中枢側狭窄による対角枝およびLCx領域の虚血と判断し、再CABGの適応となった。左第5肋間で開胸し、下行大動脈近位にPAS-Port(Cardica社)でSVG中枢側吻合を行った。D2をスタビライザーで固定後、切開し冠状動脈シャントチューブを用いてSVGと側々吻合し、更に前回SVG吻合部の末梢で側壁枝を切開して端側吻合を行った。術後経過良好で28日目に退院した。
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