臨床経験
脳深部刺激装置を有するParkinson病患者の開心術
堀内 和隆
1
,
中田 俊介
,
薦田 さつき
,
湯浅 毅
1岡崎市民病院 心臓血管外科
キーワード:
胸部X線診断
,
心筋梗塞
,
日常生活活動
,
Parkinson病
,
冠血管造影
,
心室中隔穿孔
,
開心術
,
冠状動脈狭窄症
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
,
脳深部刺激
,
植込み型神経刺激装置
Keyword:
Activities of Daily Living
,
Myocardial Infarction
,
Parkinson Disease
,
Radiography, Thoracic
,
Coronary Angiography
,
Ventricular Septal Rupture
,
Coronary Stenosis
,
Deep Brain Stimulation
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
,
Implantable Neurostimulators
pp.841-844
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016030709
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症例1:60歳男。胸痛を主訴とした。数年前にParkinson病にて脳深部刺激(DBS)装置を両側前胸部に移植していた。冠状動脈造影検査(CAG)で#3、7、10、11の狭窄を認め、心拍動下冠状動脈バイパス術3枝を行った。麻酔導入後にDBS装置をoffとし、術中の電気メスはモノポーラを使用し低電圧設定とした。術後levodopaを静注し、人工呼吸器の離脱前にDBS装置をonとして意識を確認した。症例2:72歳女。意識障害を主訴とした。数年前にParkinson病にてDBS装置を右側前胸部に移植していた。心電図でST上昇、心エコーで左室前壁中隔から心尖部の壁運動低下、カラードプラで心尖部に左右シャント、CAGで#6の閉塞を認めた。急性心筋梗塞後心室中隔穿孔と診断し、DBS装置をoffにして穿孔閉鎖術を行い、術中の電気メスはモノポーラを使用し低電圧設定とした。術後levodopaを静注したが、穿孔部リークが増加し、心不全状態が遷延したため再閉鎖術を行った。IABP離脱後にDBS装置をonとした。2症例とも、DBS装置の異常やParkinson症状の悪化は認めなった。
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