CABG 2009年
心筋梗塞の外科治療 急性心筋梗塞に対するOPCABの成績
福井 寿啓
1
,
下川 智樹
,
真鍋 晋
,
高梨 秀一郎
1榊原記念病院 心臓血管外科
キーワード:
心筋梗塞
,
心電図
,
大動脈内バルーンパンピング
,
冠血管造影
,
生存分析
,
選択的手術
,
治療成績
,
緊急手術
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
Keyword:
Electrocardiography
,
Intra-Aortic Balloon Pumping
,
Myocardial Infarction
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Coronary Angiography
,
Elective Surgical Procedures
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
pp.36-40
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009071784
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急性心筋梗塞(AMI)に対し心拍動下冠状動脈バイパス術を施行した50例(男34例・女16例・平均71.7歳)の成績を報告した。来院後24時間以内の緊急手術が19例、心不全改善後の準緊急手術が11例、心筋梗塞安定化待機中の不安定狭心症4例、安定化待機16例であった。バイパス吻合枝数は平均4.0ヶ所で、左内胸動脈は全例に、右内胸動脈は92%に使用した。術前大動脈バルーンパンピングを挿入した22例のうち、3例は術中に抜去し、他症例は術後平均24.3時間に集中治療室で抜去した。術後エコーで測定した左室駆出率は平均52.5%で、術前(47.6%)に比較して有意に改善した。術後合併症は、30日以内の死亡はなかったが、脳梗塞2例、低心拍出量症候群による心不全・腎不全1例、縦隔炎1例を認めた。術後34例にカテーテル検査を行い、グラフト開存率は98.2%で、AMI責任血管に吻合したグラフトの閉塞はなかった。遠隔期の予後調査では、2例が死亡し、死因はそれぞれ心不全、消化管出血であった。累積生存率は3.5年95.9%であった。
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