発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006051516
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Fallot四徴症に対して根治術を施行し術後5年以上経過の41症例を対象に,肺動脈弁輪温存の14例(温存群;手術時年齢2.0±0.6歳)と1弁付きパッチで拡大した27例(拡大群;1.8±1.0歳)の2群間における右室機能に及ぼす影響について検討した.その結果,大動脈遮断時間は両群に有意差はなく,体外循環時間は拡大群が温存群に比して有意に長かった.遠隔死亡例はなく,再手術は温存群の1例において術後急速に右室流出路狭窄が進行したため1年8ヵ月後に再度肥厚筋切除を施行した.術後1年に施行の心カテーテルでの右室/左室圧比は温存群;36.7±8.3%,拡大群;41.7±12.0%と良好に右室圧は低下し,中心静脈圧も両群とも低値であった.術後1年の右室拡張末期容量は温存群より拡大群が有意に大きかったが,右室駆出率には有意差を認めず,有意な不整脈の発生も認めなかった.以上より,適切な肺動脈弁輪拡大を行った症例では良好な右室機能が保持されていた
©Nankodo Co., Ltd., 2005