発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013955
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大動脈弁輪拡大を要した大動脈弁置換術を行った小児16例の術後経過と長期予後を検討した。対象は男9例・女7例・中央値8.21歳、経過観察期間は中央値3.93年であった。手術はKonno手術13例(機械弁12例・ホモグラフト1例)、自己肺動脈弁によるRoss手術2例、Nicks手術1例(機械弁)であった。早期死亡は2例あり、Ross手術、Konno(機械弁)手術が各1例で、いずれも感染性心内膜炎・大動脈弁閉鎖不全・急性心不全により緊急手術を行い、人工心肺から離脱できず死亡した。遠隔死亡は1例あり、Konno(機械弁)手術例で、その後の口唇口蓋裂に対する手術後にMRSA敗血症を生じ死亡した。遠隔期合併症は2例あり、Nicks術後にwarfarinを怠薬して血栓弁となった1例、CK上昇を生じ無症候性心筋梗塞を疑ったが器質的狭窄を認めず冠攣縮と診断した1例であった。最終的なNYHA機能分類は、生存例13例のうち12例がclass I、残り1例はclass II(単心室合併例)であった。最終外来における年齢と体表面積、置換弁径により算出した有効弁口面積指数は、1例のみが成人領域の指標0.85cm2/m2を下回っていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011