発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011192883
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57歳男性。患者は健診にて左肺の異常陰影を指摘され、気管支鏡検査などの精査を受けるも確定診断には至らず、経過観察となった。しかし1年後、CTおよびFDG-PET CTで腫瘍径の増大とFDGの集積を認め、肺癌の疑いにて著者らの施設へ入院となった。入院時、血液・生化学検査や腫瘍マーカーでは異常所見はみられなかったが、胸部CTでは左S4に5×8mm大の空洞形成を伴った結節影が認められた。一方、気管支鏡擦過・洗浄細胞診、細菌培養は陰性であったが、FDG集積像がみられ、肺癌の可能性が考えられた。以後、胸腔鏡補助下に左下区域切除を行ったところ、病理組織学的に肺放線菌症で、術後にエアリークが遷延したため、術後22日目に小開胸瘻孔閉鎖術が行われた。その結果、経過は良好であった。
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