発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012184025
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心内修復術6例を対象に、麻酔導入時に左内頸動脈より中心静脈カテーテルを左上大静脈(LSVC)圧ラインとして挿入した。近赤外線酸素モニターを用いて空間分解分光法で組織酸素化係数(TOI)を、modified Beer-Lambert法で酸素化ヘモグロビン、還元型ヘモグロビン、総ヘモグロビン(HbT)をモニタリングした。手術開始、完全体外循環到達、LSVC遮断および大動脈遮断、大動脈遮断10分後、大動脈遮断20分後、大動脈遮断解除、LSVC遮断解除、体外循環終了時、手術終了時の9ポイントにおいて計測を行い、後方視的に検討した。その結果、体外循環時間は141±24分、大動脈遮断時間82±29分、LSVC遮断時間102±24分であった。Fallot四徴症の1例が術後原因不明の急性心筋梗塞により死亡したが、他に神経学的合併症を認めなかった。遮断によりLSVCが30mmHgを超えた症例、HbT上昇、TOIの低下を認めた症例はなく、全例が意図しないLSVCの遮断解除を行わず手術を終了した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011