発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011106147
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88歳男。ショック、意識消失を主訴とした。搬送時にはショック状態であり、CTにてStanford A型急性大動脈解離(DeBakey分類II型)と心嚢液貯留を認めた。心嚢ドレナージを行うも改善なく、年齢や基礎疾患不明のまま緊急手術を行い、超低体温循環停止、逆行性脳灌流、逆行性心筋保護下に上行大動脈を切開したところ、Sinotubular(ST) junction直上10mm程度の小彎側にintimal tearを認め、解離はSTレベル、末梢側は大動脈弓部の石灰化の手前で止まっていた。上行大動脈置換術を行い、術後は神経学的障害なく独歩退院した。本例では発生から手術開始まで約2時間で経過したことが良好な予後に関係したと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011