発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013095087
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症例1は59歳男性で、胸痛を主訴とした。漏斗胸、側彎症を認め、Marfan症候群様体型であった。画像所見にて大動脈弁輪拡大症、Stanford A型急性大動脈解離、重症大動脈弁閉鎖不全症を認めた。症例2は63歳女性で、胸背部痛を主訴とした。心タンポナーデによるショック、漏斗胸、側彎症を認めた。画像所見にてStanford A型急性大動脈解離、心嚢液貯留を認めた。症例1は胸骨正中切開を行ったところ、心臓が左に偏位し視野不良であった。第4肋間で左開胸を追加し大動脈基部置換術を行った。症例2は胸骨正中切開を行わず、左開胸(胸部正中皮膚切開、第2~5肋間離断および第4肋骨部分切除)にて部分弓部置換術(腕頭動脈再建)を行った。漏斗胸を伴う急性Stanford A型急性大動脈解離の手術において、良好な視野を確保できる左開胸(胸部正中皮膚切開、第2~5肋間離断および第4肋骨部分切除)でのアプローチが有用であった。
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