発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011106146
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
83歳女。労作時呼吸困難、胸痛を主訴とした。特発性血小板減少性紫斑病(ITP)を合併した大動脈弁閉鎖不全症兼狭窄症例であり、保存的に治療されていたが、心不全症状、胸痛、心機能低下の進行を認めたため、大動脈弁人工弁置換術を行った。周術期の感染リスクを懸念して内服ステロイドの減量・中止、免疫グロブリン大量療法を行い、血小板の改善を図るとともに、術中は慎重な操作と止血を行った。また、術中に大動脈四尖弁と診断されたため、余剰弁尖に相当する弁輪に運針する際には刺激伝導系の損傷に注意するなど、きわめて基本的な事柄を一つずつ確実に行うことで良好な結果が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011