発行日 2013年4月1日
Published Date 2013/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013219806
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12歳男児。全身倦怠感、顔色不良、両肩の痛みを主訴に救急外来受診となった。初診時、心電図では洞性頻脈を呈しており、心臓超音波では全周性に心嚢水の貯留が認められた。また、胸部造影CTでは大動脈基部から弓部小彎側にかけて偽腔開存型の解離がみられ、心室周囲には著明な心嚢水貯留が確認された。以上より、本症例は心タンポナーデを伴ったStanford A型急性大動脈解離と診断され、緊急で上行・部分弓部大動脈人工血管置換術が施行された。その結果、術後は一時的に胸水の貯留が認められたものの順調に経過し、患者は第21病日目に独歩退院となった。目下、術後2年経過現在、特に大きな問題はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013