Stanford A型急性大動脈解離における周術期脳梗塞発症群と非発症群での危険因子の比較

Stanford A型急性大動脈解離(acute aortic dissection type A:AADA)は、偽腔の拡大により弓部分枝の血管内腔が狭窄･閉塞すると脳血流量の低下を生じ、脳障害を発症する危険性が高まる。当院でAADAに対して緊急人工血管置換術を施行した54症例を対象として、周術期脳梗塞の頻度と危険因子を後ろ向きに検討した。周術期脳梗塞は10症例(18.5%)で認め、脳梗塞発症群では非発症群と比べ、術前の意識障害、麻痺、心タンポナーデ、弓部分枝の解離が有意に多かった。