発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012175454
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Stanford A型急性大動脈解離19例に対する手術において、上行大動脈送血を施行した8例(男6例、女2例、平均65.0歳;C群)と大腿動脈送血の11例(男4例、女7例、平均68.6歳;P群)を比較した。術前因子では年齢、性別、基礎疾患や、心タンポナーデ、大動脈弁閉鎖不全症の発症比率に有意差はなく、C群にショック例はなかった。術式はC群が上行大動脈置換術6例、弓部全置換術2例、P群はそれぞれ10例、1例で、手術開始から人工心肺確立までの時間、人工心肺時間、循環停止時間、手術時間に有意差はなかった。術後因子ではC群に脳合併症、臓器灌流障害を認めず、P群は脳梗塞を1例認めた。その他の術後合併症、集中治療室滞在日数、術後挿管時間に有意差はなく、30日死亡例は両群とも認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012