発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017032249
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73歳女。右下肢痛・両下肢脱力を主訴とした。血液生化学所見では好酸球と血小板増加、炎症反応の上昇を認めた。胸部CTでは右S8と右中葉・左下葉に多発浸潤影を認めた。神経電動速度検査では多発性単神経障害所見を認め、気管支喘息の既往があることからChurg-Strauss症候群と診断確定した。ステロイドパルス療法に引き続きプレドニゾロン(PSL)を50mg/日から開始し、ガンマグロブリン大量静注療法後は症状が軽快し、検査所見もほぼ正常化した。CSS治療後に残存した右S8の結節影は腺癌の診断で、胸腔鏡補助下右下葉切除、リンパ節郭清を施行し、術後補助化学療法としてtegafur・uracil(UFT)300mg/日を開始した。その後、早期胃癌を認め、腹腔鏡下胃幽門側切除、Roux-en Y再建、D1を施行し、引き続きUFT 300mg/日の2年間経口投与とPSLの漸減を行った。PSL 1mg/日まで減量して経過観察中であるが、CSSの再燃も肺癌・胃癌の再発徴候も認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2016