特集 胃癌診断を極める
術後胃粘膜に生じる胃癌の内視鏡診断 残胃・再建胃管に生じる胃癌
飯塚 敏郎
1
,
野村 浩介
,
菊池 大輔
,
上野 正紀
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院 消化器内科
キーワード:
胃鏡法
,
胃腫瘍
,
胃切除
,
術後合併症
,
食道形成術
,
食道腫瘍
,
食道切除
,
腺癌
,
Roux-en-Y吻合術
,
噴門
,
幽門
,
腫瘍-第二原発
,
食道空腸吻合術
,
狭帯域光観察
,
胃空腸吻合術
,
胃十二指腸吻合術
,
食道胃吻合術
Keyword:
Cardia
,
Stomach Neoplasms
,
Esophagectomy
,
Esophagoplasty
,
Gastrectomy
,
Gastroenterostomy
,
Gastroenterostomy
,
Gastroscopy
,
Anastomosis, Roux-en-Y
,
Adenocarcinoma
,
Neoplasms, Second Primary
,
Pylorus
,
Postoperative Complications
,
Esophageal Neoplasms
,
Narrow Band Imaging
pp.135-143
発行日 2020年1月25日
Published Date 2020/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2020257088
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早期の残胃癌の内視鏡的特徴については、多くの興味を引くところであるが、報告がほとんどない。自験例での検討では、幽門側胃切除Billroth I法再建後残胃癌が最も多く遭遇する癌である。病変の多くは残胃小彎に位置しIIc病変が多かった。Billroth II法再建後残胃癌では、初回手術から平均37.4年経過して吻合部近傍に発生していた。褪色調で微細模様の変化が弱い分化型腺癌であり、境界診断が難しい症例が多かった。噴門側胃切除後残胃癌は発赤調を呈する病変が多く、大小不同などのirregular微細模様と微小血管像から診断は容易であり、いずれも分化型癌であった。食道切除後の挙上胃管に発生する癌の多くは体下部もしくは前庭部に位置し、色調は多彩であるが分化型癌が大半であった。挙上された胃管は管腔が狭く、送気での広がりが悪いため観察しにくいが、NBI拡大内視鏡上、全病変でdemarcation lineを確認でき診断は容易であった。
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