発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011034183
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冠状動脈バイパス術(CABG)前に前腕動脈超音波を施行し、橈骨動脈(RA)および尺骨動脈(UA)の評価を行った210例(男157例・女53例・平均69歳)について報告した。評価対象は左上肢210本、右上肢78本であった。RAの直径は平均2.6mmで、2mm未満が30本であった。狭窄は4本、閉塞は2本で認め、その他性状不良が20本であった。UAの直径は平均2.4mmで、狭窄による血管不良を8本、閉塞を1本で認め、他に高度の石灰化、動脈硬化が4本であった。最終的に288本のうち55本はRA採取に不適と判断した。実際に採取を行ったのは82本で、バイパスグラフトとして問題なく使用できた。また、術後上肢の虚血症状はみられず、グラフト早期開存率は98%であった。以上、前腕動脈超音波はRA使用予定のCABG術前検査として有用であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010